乾皮症で痒みを感じる女性

お肌の乾燥は、放置すると皮膚の病気である「乾皮症」や「皮脂欠乏性湿疹(皮脂欠乏性皮膚炎)」になるリスクがあります。

今日は、ナールスエイジングケアアカデミー編集部の「乾皮症と皮脂欠乏性湿疹(皮脂欠乏性皮膚炎)の症状・原因と対策」を参考にして、乾皮症と皮脂欠乏性湿疹(皮脂欠乏性皮膚炎)の症状や原因と対策をご紹介します。

「手足の乾燥肌がひどくて痒みもある」
「すねに湿疹がでてきた!」
「背中に粉が吹いてきた」

などの症状が気なっている方は、ぜひご覧ください。

 

乾皮症や皮脂欠乏性湿疹(皮脂欠乏性皮膚炎)はどんな症状?

皮脂や汗の分泌が減り、お肌が乾燥して光沢を失い、肌理(キメ)が粗くなっている状態を、医学用語で「乾皮症(皮脂欠乏症)」といいます。

乾皮症の典型的な症状としては次のようなものがあげられます。
・痛みや痒みがある
・ガサガサしている
・白い粉をふいている
・浅い亀裂、ひび割れがある

皮脂欠乏性湿疹とは、乾皮症の症状がある上に、お肌に何らかの刺激物が接触することで、刺激性接触皮膚炎などが加わって、湿疹を生じた状態のことです。

皮脂欠乏性湿疹の特徴としては、次のようなことがあげられます。
・足(特にすねの外側)や腕、背中、腰、わき腹などに痒みがある
・粉を拭いたようなカサカサや掻きむしった跡がある
・冬になると症状が悪化する
・洋服によって痒みがひどくなる時がある
・石鹸や洗剤をよく使用する職業である(主婦も含め)

皮脂欠乏性湿疹は、乾皮症の1つの症状で、刺激などによって湿疹化した肌状態のことを言います。

 

乾皮症や皮脂欠乏性湿疹(皮脂欠乏性皮膚炎)の原因は?

「乾皮症」や「皮脂欠乏性湿疹」の主な原因をご紹介します。

 

①お肌の潤い成分を落としすぎる習慣

熱いお風呂に長くつかることや、洗浄力の強い洗浄料でゴシゴシこすりながら洗うなど、お肌の潤いを落としすぎる習慣のある方は要注意です。

 

②「乾皮症」や「皮脂欠乏性湿疹」になりやすい職業

「美容師」「看護師」など、薬品を使う頻度の多い職業や、「運送業」「銀行員」など、よく紙等の、物理的な刺激を受けやすい職業の方は、手肌の乾燥による手荒れや手湿疹になることや、薬剤アレルギーのリスクもあります。

 

③生活習慣の乱れ

日々の生活に追われてしまい、自分のことなんて後回しになっている人は要注意。
食生活の偏りや、睡眠不足、肌の状態が気になってはいても仕事から帰ってきたらお手入れすることなく寝てしまうなど、忙しい生活で自分のことがおろそかになっていると危険です。

 

④ストレスが多い

ストレスは肌荒れの原因になるため、乾皮症や皮脂欠乏性湿疹のリスクが高くなります。
お肌は、心や生活習慣を写す鏡ともいわれています。

 

⑤過度なアルコール消毒

コロナ禍で、手などをアルコールで消毒する頻度が増えていますが、1日に何度も行うと乾皮症や皮脂欠乏性湿疹のリスクになってしまいます。

 

皮脂欠乏性湿疹(皮脂欠乏性皮膚炎)の予防・改善・解消の方法は?

肌質や年齢によっても改善の方法が異なることはありますが、皮脂欠乏性湿疹の予防や改善の方法は、大きく分けると「生活習慣の見直し」「着用する衣服の工夫」「保湿ケア」の3つです。それぞれ具体的な方法をお伝えします。

 

①生活習慣の見直し

・暖房を使う時は必ず加湿器など、お部屋の湿度を40%~60%でキープするよう心掛ける。
・ストレス過多な生活にならない工夫をする
・お風呂上がりは皮膚に潤いがある間に保湿する
・湯船につかるときはぬるめ(40℃程度)の温度設定にする
・タオル(特にナイロンタオル)などで強く擦らない
・洗浄料は刺激の少ないものを選ぶ
・乾燥肌対策になる食べ物や飲み物を積極的に摂る
・お酒、香辛料、生姜など血行を促進する食べ物はかゆくなりやすいので控えめにする
・腸内環境を整えて便秘などを予防する
・紫外線対策を怠らない

 

②着用する衣服の工夫

・コットン(綿)製の衣類、できれば品質のよいコットンの衣類を着る
・締め付けがきつい衣類は避ける
・自分に合わない素材、刺激を感じる素材は避ける
・紫外線カット加工、抗臭・抗菌加工がほどこされた衣類に注意する
・ホルムアルデヒドなどの染料に注意する
・常に清潔な衣類を身に着ける

 

③保湿剤などで保湿ケア

保湿剤は、毎日朝夜2回、必要に応じて3回程度塗ることが目安です。
夜は、入浴後5分以内に塗りましょう。
皮膚から水分の蒸発を防ぐ効果は、油分の多いものの方が高い傾向にあります。
化粧品や医薬部外品の場合は、有効成分や刺激のある成分を確認して選びましょう。
医薬品の場合は、薬剤師さんと相談して、自分に合ったものを選びましょう。

なお、さまざまな対処法を試しても、いまひとつ乾皮症や皮脂欠乏性湿疹に対する効果を感じられないときは、皮膚科を受診しましょう。

 

まとめ

乾皮症と皮脂欠乏性湿疹(皮脂欠乏性皮膚炎)の症状や原因と対策をご紹介しました。
お肌のトラブルは、早期改善が何よりも大切です。
スキンケアや生活習慣の見直しを行い、痒みがおさまらない時は、早めに皮膚科など医療機関にかかるなど早期の改善に努めてくださいね。
この記事が、健やかな素肌づくりのお役に立てば幸いです。